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相続

相続放棄を依頼する専門家の選び方

専門家

はじめに相続放棄を依頼する専門家について説明します。

相続放棄を依頼する専門家は弁護士か司法書士です。そこで、弁護士か司法書士どちらに依頼すべきか迷われるかもしれません。

結論から申し上げるとどちらでもよいです。依頼先が弁護士か司法書士かという基準ではなく、依頼先の人物や事務所をみて選択すべきです。無論報酬も重要な判断材料になります。

記名押印

ここで相続放棄における弁護士と司法書士の違いを説明します。

両者の違いは相続放棄の代理権の有無にあります。すなわち、弁護士は相続放棄の申述人を代理できますが、司法書士は申述人を代理できません。

そして、この代理権の有無が具体的にどのような違いを生むかというと、それは書類作成における作成名義人です。つまり、弁護士に依頼すると申述人は弁護士に対する委任状に記名押印し、相続放棄申述書は弁護士が記名押印します。これに対し、司法書士に依頼すると申述人は相続放棄申述書に記名押印します。

そこで、この記名押印の違いがどのような違いを生むかというと、これ以上の違いは生みません。

実費

また、相続放棄を申述するには収入印紙と予納郵券が必要ですが、この点につき弁護士か司法書士かで違いは生じません。

報酬

さらに、弁護士も司法書士も報酬は各々が自由に設定できますので、依頼先によって報酬は変わります。よって、弁護士か司法書士かで直接的に報酬の違いは生じません。

ところで、相続放棄の専門家報酬は次の要素で決まります。

  1. 申述人が第一順位の相続人、第二順位の相続人、第三順位の相続人又は配偶者のいずれに該当するか。
  2. 相続放棄の申述が、被相続人の死亡日から3か月以内又は先順位者の相続放棄の受理日から3か月以内であるか否か。

1につき、例えば第一順位の相続人が相続放棄する場合より第三順位の相続人が相続放棄する場合の方が報酬が高いです。なぜなら、後者の方が取得する戸籍の範囲が広いからです。

2につき、例えば配偶者が相続放棄をする場合に、被相続人の死亡後3か月以内に申述するときより被相続人の死亡後3か月経過後に申述するときのほうが報酬が高いです。なぜなら、後者では申述人に対する聞き取りや作成する書類の量が増えるからです。

以上が相続放棄を依頼する専門家についての説明です。

申述する時期

次に相続放棄を申述する時期について説明します。

前述のとおり、相続放棄は被相続人の死亡日から3か月以内又は先順位者の相続放棄の受理日から3か月以内に申述すると、そうでない場合に比べて手続きの手間が大幅に減ります。そして、手間が大幅に減るということはその分報酬も下がります。

よって、相続放棄は被相続人の死亡日から3か月以内又は先順位者の相続放棄の受理日から3か月以内に申述できるように専門家を選ぶべきです。

そして、相続放棄の手続きで最も時間がかかるのは戸籍の収集です。特に第三順位の相続人が相続放棄を申述する場合には取得する戸籍が多いです。すなわち、第三順位の相続人が申述人の場合には被相続人だけでなく、被相続人の父母の戸籍も取得しなければなりません。

ところで、戸籍の収集は本籍地が近場であれば市町村の窓口で請求しますが、本籍地が遠方であれば郵送で請求します。そこで、収集する戸籍を管轄する市町村付近の専門家は、そうでない専門家に比べて戸籍収集が物理的に有利です。よって、相続放棄を依頼するには被相続人や被相続人の父母の本籍地付近の専門家に地の利があるといえます。

もっとも、依頼する専門家の動きが遅ければこの地の利は無に帰します。

印鑑登録証明書

また、被相続人の死亡日から3か月以内又は先順位者の相続放棄の受理日から3か月以内に相続放棄が可能である場合には印鑑登録証明書を添付して相続放棄を申述すべきです。なぜなら、このような場合に印鑑登録証明書を添付すると回答書の送付が省略されることがあるからです。

回答書とは相続放棄の申述が受け付けられた後に家庭裁判所から送付される書類です。申述人はこの回答書に記入して家庭裁判所に返送します。

しかし、相続放棄の申述書に実印を押印し、印鑑登録証明書を添付すると家庭裁判所の回答書送付が省略されることがあります。そして、これが省力されるとその分専門家の負担は軽減されますので、報酬は下がります。

以上が相続放棄を申述する時期についての説明です。

被相続人と申述人の住所

最後に被相続人の住所地と、申述人の住所地の専門家について説明します。

相続放棄は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述します。そこで、相続放棄を専門家に依頼する場合には被相続人の最後の住所地付近に事務所がある専門家か、申述人の住所地付近に事務所がある専門家のいずれを選択すべきか迷うかもしれません。

結論から申し上げるとどちらでもよいです。

被相続人の最後の住所地付近には被相続人やその父母の本籍地がある可能性が高いですので、被相続人の最後の住所地付近に事務所がある専門家に地の利があるかもしれません。

これに対し、申述人の住所地付近の事務所であれば申述人が専門家に容易に会うことができます。

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