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抵当権解除証書の書き方(金融機関向け)

抵当権解除証書の構成

抵当権解除証書は主に次の要素で構成されます。

  • 不動産の表示
  • 抵当権の表示
  • 抵当権者の表示

ところで、抵当権解除証書は法務局に提出する添付書類で、誤植があれば当然訂正・削除が必要です。

そして、訂正・削除には抵当権解除証書の作成者、すなわち抵当権者の訂正印が必要です。そのため、登記を申請する者にとっては抵当権解除証書への余計な記載はできるだけ避けてほしいです。

次にこれらの要素について具体的に説明します。

不動産の表示

不動産の表示は通常抵当権解除証書の最下段に記載されます。

土地の表示

土地の表示においては次の情報を記載することが考えられます。

  • 不動産番号
  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積

しかし、土地の表示においてはこれらの情報すべてを記載する必要はありません。すなわち、次の情報で足ります。

  • 所在
  • 地番

具体的には「松江市殿町一丁目1番の土地」のように記載すれば足ります。

建物の表示

建物の表示においては次の情報を記載することが考えられます。

  • 不動産番号
  • 所在
  • 家屋番号
  • 種類
  • 構造
  • 床面積

(敷地権付区分建物の場合はこれらに加えて記入する情報が増えます。)

しかし、建物の表示においてもこれらの情報すべてを記載する必要はありません。すなわち、次の情報で足ります。

  • 所在
  • 地番

具体的には「松江市殿町一丁目1番地 家屋番号1番の建物」のように記載すれば足ります。

また、敷地権付区分建物においては「松江市殿町一丁目1番地 パーパス松江城(=マンション名) 家屋番号1番の101の区分建物」のように記載すれば足ります。

共同担保目録がある場合

不動産の表示の記載方法は以上の通りですが、抵当権解除の対象不動産が共同担保に入っている場合、すなわち、登記事項証明書(登記情報)に共同担保目録が記載されている場合には不動産の表示を確認する方法は簡単です。

この場合には共同担保目録内の不動産の表示をそのまま書き写せば足ります。

行政区画の変更

不動産の表示で記載する不動産の情報は直近の登記事項証明書(登記情報)を基に作成するべきです。

しかし、登記事項証明書(登記情報)の取得は有料ですので、金融機関は抵当権設定契約証書や過去の登記事項証明書を基に作成することになります。

ここで、不動産の所在につき行政区画の変更が生じている場合にはこの手筈になりません。行政区画の変更がなされている場合には行政区画変更後の不動産の所在を記載します。

行政区画の変更後の不動産の表示は地元の金融機関であれば感覚的にすぐわかります。わからない場合には行政区画変更前の住所の郵便番号を検索すると行政区画変更後の住所を把握できます。

抵当権の表示

抵当権の表示は解除する抵当権を特定するための記載です。抵当権解除証書の中段に記載されます。

抵当権は共同担保と言えど、不動産毎に設定されています。そのため、抵当権解除証書においては不動産毎に解除する抵当権を特定すべきです。

そして、抵当権を特定する情報は抵当権の次の情報です。

  • 受付年月日
  • 受付番号

なお、「管轄法務局」や「抵当権設定契約日」などの記載は不要です。

この抵当権の情報は登記事項証明書で確認できます。

登記事項証明書を確認せずに抵当権の表示を確認する方法は少し複雑です。

すなわち、抵当権設定契約証書に「登記済」の印が押してある場合には抵当権設定契約証書で確認します。

これに対し、抵当権設定契約証書に「登記済」の印がない場合には登記識別情報通知が発行されていますので、これを確認します。

なお、平成17年以降順次、抵当権設定契約証書に「登記済」の印を押印することは廃止され、登記識別情報通知が発行されています。よって、将来的には登記識別情報通知のみで抵当権の「受付年月日」と「受付番号」を確認することになります。

また、受付年月日と受付番号は多くの場合共同担保目録内の不動産で同じです。そのため、通常抵当権の表示には「受付年月日」と「受付番号」を一つずつ記載すれば足ります。

無論、不動産毎に「受付年月日」と「受付番号」が異なる場合には不動産毎に分けて「受付年月日」と「受付番号」を記載します。

抵当権者の表示

抵当権者の表示とは抵当権解除証書を発行する金融機関の本店・商号・代表者・会社法人等番号を記載する欄です。抵当権解除証書の右上段に記載されます。

抵当権の表示には抵当権解除証書の発行時の情報を記載します。

なお、金融機関の中には抵当権解除証書の日付を空欄で発行するものがありますが、この日付は抵当権解除証書発行日で構いません。

また、抵当権解除証書の日付がそのまま登記の原因となる体裁が採られている場合には抵当権の解除日を記入します。

債務者の表示

抵当権解除証書の左上段の宛先に「○○様」として、債務者を記入することがあります。

結論からいいますと、債務者の表示は不要です。(百歩譲って債務者を記載するならば抵当権設定者を記載すべきです。)

もっとも、債務者を記載したからと言って、間違いでも、登記が通らないわけでもありません。

債務者の表示において問題が顕在化するのは債務者が死亡している場合です。この場合においては死亡している債務者を記載しても、記載しなくても構いません。

また、死亡している債務者を記載する場合に「亡○○」と記載しなくてよいです。

前述の通り、債務者の表示は登記をするうえで不要な情報ですので、債務者が死亡しているか否かに関わらず記載しなくてよいです。

抵当権解除証書の記載例

弁済証書

令和 年 月 日

本店
商号
代表者
会社法人等番号

 下記不動産の平成 年 月 日第 号をもって登記された抵当権の被担保債権は全部弁済されたことを証明します。

弁済年月日 令和 年 月 日

不動産の表示

  1. 松江市殿町一丁目1番の土地
  2. 松江市殿町一丁目1番地 家屋番号1番の建物
  3. 松江市殿町一丁目1番地 パーパス松江城(=マンション名) 家屋番号1番の101の区分建物

登記原因

以上が抵当権解除証書の書き方です。

ところで、金融機関が抵当権を外すための書類を発行する場合、抵当権解除を原因として登記を依頼することが多いです。

しかし、被担保債権(住宅ローン)を完済した債務者や抵当権設定者に対して「解除」を登記原因とする書類を発行するのは本来おかしな話です。

この場合には「弁済」を登記原因とする書類を発行すべきです。なぜなら、抵当権解除証書の登記原因は登記事項証明書に反映されるところ、登記原因が「解除」となっていれば被担保債権(住宅ローン)を完済したのか、完済せずに抵当権が解除されただけなのか判別できないからです。

完済せずに抵当権が解除されるとは例えば不動産の任意売却の場合です。

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