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家族信託

家族信託入門

信託の用語

はじめに信託の用語を説明します。

信託

信託とは特定の者が一定の目的に従って財産の管理・処分・その他必要な行為をすることです。そして、これらの行為の内容は信託契約、遺言、又は公正証書などによる意思表示で規定されます。また、信託の内容を定めるこれらの行為を「信託行為」といいます。

信託契約の例は次のAB間の契約です。

  • Aは自分の資産をBに預ける。
  • Bは預かった資産を運用する。
  • Bは資産運用で発生した利益をCに配当する。

なお、Cは「Aの資産をBが運用することよって発生した利益」を享受しますが、信託契約の当事者ではありません。但し、この場合Cには贈与税の発生などの課税上の問題が発生することがあります。

委託者

委託者とは信託行為をする者です。この例のAです。Aは信託契約という信託行為に基づきBに資産管理を委託しています。

受託者

受託者とは信託行為に従って財産の管理・処分・その他必要な行為をする者です。この例のBです。Bは信託契約という信託行為に基づきAの資産管理を受託しています。

なお、未成年者は受託者になれません(信託法7条)。また、法人は受託者になれますが、民事信託の場合は信託業法に抵触しない範囲で受託者の地位に就かなければなりません。

受益者

受益者とは受益権を有する者です。受益権とは信託行為による利益を享受する権利です。この例ではCが受益者です。CはBの資産管理に基づき発生した利益を享受しています。

信託財産

信託財産とは、受託者が信託行為に基づき管理・処分・その他必要な行為をする財産です。

以上が信託の用語です。

家族信託とは

次に家族信託を説明します。

家族信託とは家族を受託者とする民事信託です。

民事信託

信託には民事信託と商事信託があります。これらを区別する明確な基準はありませんが、受託者が信託会社である信託を商事信託、受託者が信託会社でない信託を民事信託と理解すれば十分です。

商事信託

商事信託とは受託者を信託会社とする信託ですが、信託会社とは信託業法の許可又は登録を受けた者です。また、信託業とは信託の引受けを行う営業をいいます。

つまり、他人の財産の信託を受けることを生業とする場合には信託業法の許可又は登録が必要です。

そして、家族信託の場合、受託者である家族は通常信託を受けることを生業にはしていませんので、受託者には信託業法の許可・登録は不要です。よって、家族信託とは家族を受託者とする民事信託と定義できます。

以上が家族信託の説明です。

信託財産の構成

最後に信託財産を構成する財産を説明します。

信託財産を構成する財産の代表例は金銭や不動産ですが、財産のすべてが信託財産となるわけではありません。次の財産は信託財産となりません。

消極財産

委託者の借金などの消極財産は信託財産になりません。

年金受給権

年金受給権は譲渡が禁止されていますので、年金受給権そのものは信託財産になりません。

農地

農地を譲渡するには農地法の許可が必要ですので、農地は原則信託財産になりません。

預貯金債権

預貯金債権は譲渡が禁止されていますので、預貯金債権そのものは信託財産になりません。

但し、預貯金口座から引き出された金銭は信託財産になります。この場合には次の流れを経ます。

  1. 信託契約をします。
  2. 信託口口座を開設します。
  3. 預貯金口座から金銭を引き出し、信託口口座に入金します。

信託口口座とは信託財産を管理する専用の銀行口座です。詳細な説明はここでは割愛します。

以上が信託財産を構成する財産の説明です。

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