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家族信託

遺言代用信託

遺言代用信託とは

遺言代用信託とは委託者の死亡時に受益権を行使できる信託です。(信託についてはこちらの記事をご参照ください。)

例えば、AB間の次の信託契約です。

  1. 委託者をAとする。
  2. 受託者をB銀行とする。
  3. 受益者をAの子Cとする。
  4. AはBにB銀行口座内の金銭を信託する。
  5. Aの死亡後、Cは受益権を取得する。

この事例ではCはAの死亡後にAがB銀行に信託した金銭を受け取ることができます。

つまり、このAB間の信託契約は、AがCに対し「B銀行口座の金銭を相続させる」という遺言を遺したのと同じ効果を生じさせます。それゆえ、このような信託契約は遺言代用信託と呼ばれます。

遺言代用信託と遺言の違い

このように遺言代用信託は遺言の代わりになるものです。そこで、遺言代用信託と遺言どちらを選択すべきかという話になります。そこで、次に両者の違いを説明します。

成立と変更

遺言は遺言者(A)が遺言を書くことで成立します。これに対し、遺言代用信託は委託者(A)と受託者(B銀行)との信託契約で成立します。

また、遺言の内容を変更するには遺言者は新たな遺言を書きます。これに対し、遺言代用信託の内容を変更するには委託者と受託者で信託契約の変更契約をします。

死亡後の手続き

遺言者の死亡後、自筆証書遺言を使用して預貯金の払い戻しをするには金融機関の窓口にいく前に家庭裁判所での検認手続きか、法務局での遺言書情報証明書の請求手続きが必要です。(なお、公正証書遺言を使用する場合にはこの手続きは不要です。)

これに対し、遺言代用信託によって金銭を受け取るにはこのような手続きは不要です。

以上が遺言代用信託と遺言の違いです。

信託法

(委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)
第九十条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託
二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託
2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

遺言代用信託の種類

遺言代用信託は信託90条に規定され、1号型信託と2号型信託があります。

1号型信託

1号型信託は委託者の死亡以後に受益権が発生する信託です。

2号型信託

2号型信託は委託者の死亡前から受益権が発生しますが、委託者の死亡後に受益権に基づく給付を請求できる信託です。もっとも、信託法90条2項で「委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。」と規定されていますので、2号型信託を活用するには同項ただし書の規定を設ける必要があります。

信託の終了事由

信託法は163条は信託の終了事由を規定しています。そこで、遺言代用信託において同号により信託契約が終了しないように信託契約を設計する必要があります。

もっとも、銀行を受託者とする遺言代用信託においては同号に該当する事態は想定しづらいです。

信託法

(信託の終了事由)
第百六十三条 信託は、次条の規定によるほか、次に掲げる場合に終了する。
一 信託の目的を達成したとき、又は信託の目的を達成することができなくなったとき。
二 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が一年間継続したとき。
三 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が一年間継続したとき。
四 受託者が第五十二条(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により信託を終了させたとき。
五 信託の併合がされたとき。
六 第百六十五条又は第百六十六条の規定により信託の終了を命ずる裁判があったとき。
七 信託財産についての破産手続開始の決定があったとき。
八 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合において、破産法第五十三条第一項、民事再生法第四十九条第一項又は会社更生法第六十一条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十一条第一項及び第二百六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による信託契約の解除がされたとき。
九 信託行為において定めた事由が生じたとき。

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