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家族信託

受託者への「所有権移転及び信託」の登記申請書の書き方

信託登記の概要

同時申請

信託登記はその信託に係る所有権移転登記と同時にしなければなりません。

不動産登記法

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(信託の登記の申請方法等)
第九十八条 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
2 信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。
3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。

受託者

信託登記と同時になされる所有権移転登記は信託のためになされるものですので、登記記録において権利者は「所有者」ではなく「受託者」と記録されます。

登記申請書の書き方

登記の目的

登記の目的には「所有権移転及び信託」と記入します。

受託者が2名以上の場合には「所有権移転(合有)及び信託」と記入します。

原因

原因には信託契約の成立した日及び「信託」と記入します。

「年月日信託

権利者

登記権利者の住所・氏名を記入します。受託者が2名以上の場合でも持分は記入しません。

権利者 (信託登記申請人)B

義務者

登記義務者の住所・氏名を記入します。

義務者 A

添付情報

添付情報には「登記原因証明情報」、「登記識別情報又は登記済証」、「印鑑登録証明書」、「住所証明情報」、及び「代理権限証明情報」、「信託目録に記載すべき情報」と記入します。

申請日及び管轄の法務局

申請日には登記申請書を法務局に提出する日を記入します。郵送の場合は発送日で構いません。

また、申請日の横に、登記を申請する管轄の法務局名を記入します。管轄の法務局とは不動産の所在地を管轄する法務局です。管轄の法務局はネットで「〇〇市 不動産登記」と検索すれば出てきます。

課税価格

課税価格にはその金額を「金○○円」と記入します。課税価格は登録免許税の算定の基礎となるものです。

課税価格は、申請する不動産の固定資産税評価額の合計額の下三桁を切り捨てた額です。固定資産税の評価額は固定資産税の納税通知書に記載されてあります。そして、固定資産税の評価額は直近年度のものです。

例えば、土地Aの評価額が7,654,321円、土地Bの評価額が1,462,154円で、建物の評価額が2,356,521円の場合、まず土地Aと土地Bの評価額を足します。すると土地の評価額の合計額は9,116,475円です。次に、この額の下三桁を切り捨てます。すると課税価格である9,116,000円が算定されます。

次に、建物の評価額の下三桁を切り捨てます。すると課税価格である2,356,000円が算定されます。

これが課税価格の算定方法です。

なお、土地の評価額の合計額と、建物の評価額を合算しないのは、土地と建物では後述する登録免許税の税率が異なるからです。

登録免許税

登録免許税にはその金額を金〇〇円と記入します。登録免許税の額は、課税価格に税率を乗じた額の下二桁を切り捨てた額です。

まず、土地所有権の信託登記の税率は現時点で0.3%です。

例えば、土地の課税価格が9,116,000円の場合、9,116,000円の0.3%にあたる額は27,348円です。そして、この税率0.3%は租税特別措置法72条に基づく減税措置ですので、金額の横に根拠条文として「(租税特別措置法72条)」と記入します。

次に、建物所有権の信託登記の税率は0.4%です。

例えば、課税価格が2,356,000円の場合、2,356,000円の0.4%にあたる額は9,424円です。

最後に土地と建物の登録免許税額を合算し、この額の下二桁を切り捨てます。

すなわち、27,348円+9,424円=36,772円となります。そして、この額の下二桁を切り捨てた値は36,700円です。これが登録免許税額です。また、所有権移転登記にかかる登録免許税は非課税ですので、その根拠条文も記入します。

登録免許税 土地 金27,348円
      建物 金 9,424円
      合計 金36,700円
(所有権移転登記は登録免許税法第7条第1項第1号により非課税)

(なお、この算定方法による算定の結果が1,000円未満となった場合、登録免許税は一律1,000円です。登録免許税は収入印紙で納付しますので、登録免許税の金額分の収入印紙を購入し、A4サイズの白紙に貼り付けます。また、敷地権付区分建物の課税価格の算定はこれより複雑です。敷地権付区分建物の課税価格の算定方法の説明はここでは割愛します。)

租税特別措置法

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(土地の売買による所有権の移転登記等の税率の軽減)
第七十二条 個人又は法人が、平成二十五年四月一日から令和五年三月三十一日までの間に、土地に関する登記で次の各号に掲げるものを受ける場合には、当該各号に掲げる登記に係る登録免許税の税率は、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、当該各号に掲げる登記の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。
一 売買による所有権の移転の登記 千分の十五
二 所有権の信託の登記 千分の三
2 平成十五年四月一日から平成十八年三月三十一日までの間に登録免許税法別表第一第一号(十二)ロ(3)又はホ(1)に掲げる仮登記を受けた者が、土地について、当該仮登記に基づき前項の規定により同項各号の登記を受ける場合には、同法第十七条第一項の規定により控除する割合は、同項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる登記の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。
一 売買による所有権の移転の登記 千分の七・五
二 所有権の信託の登記 千分の一・五
3 平成十五年三月三十一日以前に登録免許税法別表第一第一号(十二)ロ(3)に掲げる仮登記を受けた者が、土地について、当該仮登記に基づき第一項の規定により同項第一号の登記を受ける場合には、同法第十七条第一項の規定により控除する割合は、同項及び所得税法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第八号)附則第二十四条第四項の規定にかかわらず、千分の三とする。

登録免許税法

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(信託財産の登記等の課税の特例)
第七条 信託による財産権の移転の登記又は登録で次の各号のいずれかに該当するものについては、登録免許税を課さない。
一 委託者から受託者に信託のために財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録
二 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託の信託財産を受託者から当該受益者(当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)に移す場合における財産権の移転の登記又は登録
三 受託者の変更に伴い受託者であつた者から新たな受託者に信託財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録
2 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合であつて、かつ、当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人)であるときは、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併)による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。

不動産の表示

不動産の表示には、土地であれば所在・地番・地目・地積を、建物であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積を記入します。これらは不動産の登記事項証明書のとおりに記入します。

また、いわゆる分譲マンションなどの区分建物の不動産の表示はこれらと異なります。

敷地権付区分建物の場合、始めに一棟の建物の表示として、一棟の建物の所在、建物の名称を記入します。次に専有部分の建物の表示として、専有部分の家屋番号、建物の名称、種類、構造、床面積を記入します。さらに敷地権の表示として、符号、所在及び地番、地目、地積、敷地権の種類、敷地権の割合を記入します。これらも不動産の登記事項証明書のとおりに記入します。

その他

以上が登記の申請書の書き方ですが、これらの事項以外に申請書に記入すべきことがある場合、申請書に「その他」欄を追加し、この欄に記入します。例えば、登記識別情報の通知を希望しない場合には、「その他」欄に「登記識別情報の通知を希望しない。」と記入します。

所有権移転登記が完了すると登記権利者には原則登記識別情報が交付されます。しかし、登記権利者が登記識別情報の交付を希望しない場合、その旨を登記の申請時に申し出ると、登記識別情報の交付はなされません。なお、登記識別情報の交付につき特別の事情がなければ、登記識別情報の交付を希望すればよいです。

綴じ方

最後に申請書、収入印紙を貼った紙、添付書類の順番で重ねて、左端二か所をホッチキスでとめます。そして、申請書と収入印紙を貼った紙に契印(割印)をします。なお、信託契約書の原本の返還してもらうため、このコピーを申請書と一緒に綴じ、原本は綴じません。

信託目録

信託目録に記載すべき情報は、不動産登記法97条1項に規定されています。

不動産登記法

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(信託の登記の登記事項)
第九十七条 信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所
二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め
三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所
四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所
五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨
六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨
七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨
八 信託の目的
九 信託財産の管理方法
十 信託の終了の事由
十一 その他の信託の条項
2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。
3 登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。

登記原因証明情報

登記原因証明情報は信託契約書ですが、報告書形式の登記原因証明情報でも構いません。

【登記の原因となる事実又は法律行為】

  1. 信託契約
    令和年月日、A及びBは、Aを委託者及び受益者、Bを受託者とする信託契約を締結した。そして、Aは本件不動産をBに信託し、Bはこれを引き受けた。
  2. 所有権の移転
    よって、本件不動産の所有権がAからBに移転した。

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