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相続

相続登記

ここでは相続登記の基本的な説明をします。相続登記の具体的な申請方法についてはこちら

相続登記の概要

相続

相続とは亡くなった人の権利義務を親族が引き継ぐことです。相続の効果は、ある人が亡くなった後に生じますので、生前に財産を譲り渡すことは相続ではありません。

登記

相続登記における「登記」とは不動産登記を指します。そして、不動産登記とは不動産の登録のことです。また、不動産とは土地と建物を指します。不動産登記は不動産の所有者を把握するためのものです。例えば、自宅が自分の所有物であることを他人に証明する場合、不動産登記がなされていることの証明書を使用します。この証明書は不動産の登記簿謄本や不動産の登記事項証明書と呼ばれます。また、不動産登記は法務局が管理しています。

不動産登記は自動車登録制度と比較すると理解しやすいです。すなわち、自動車を購入した場合に自動車登録をしたうえで車検証の交付を受けるのと同様に、不動産を購入した場合にも不動産登記をしたうえで権利証の交付を受けます。権利証とは不動産の所有者を公的に証明する書類で、正式には登記識別情報又は登記済証といいます。

  自動車登録 不動産登記
所有者等を証明する書類 車検証 権利証
事務の担当 運輸局 法務局
手続きの代理人 行政書士 司法書士

相続登記

相続登記とは相続が発生した場合に行う不動産登記です。相続登記は不動産を被相続人から引き継いだ相続人が申請します。

相続登記の費用

相続登記を申請するには主に次の費用が発生します。

  • 登録免許税
  • 証明書発行手数料
  • 司法書士報酬

このうち、登録免許税と証明書発行手数料は司法書士に依頼しなくても発生します。

登録免許税

不動産登記は管轄法務局に申請しますが、その際に登録免許税という税金を納付しなければなりません。登録免許税の額は不動産登記の種類によって異なります。相続登記の登録免許税の額は原則固定資産税の評価額の0.4%です。固定資産税の評価額は固定資産税の納税通知書に記載されてあります。例えば固定資産税評価額が1,000万円土地の相続登記の登録免許税は4万円です。また、登録免許税は減税措置が適用される場合がありますので、相続登記の申請の際は注意が必要です。

証明書発行手数料

相続登記の申請をするには添付書類を集めなければなりません。具体的には下記の書類が必要です。

  • 被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の戸籍の附票又は住民票の除票
  • 相続人の戸籍抄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 固定資産税の名寄帳又は納税通知書

戸籍謄本の取得だけで最低でも数千円かかります。

司法書士の報酬

司法書士の報酬は案件ごとに異なります。具体的には次の要素によって報酬が増減します。

  • 公正証書遺言の有無
  • 被相続人と相続人の続柄
  • 不動産の数
  • 遺産分割協議書作成の有無
  • 固定資産税の評価額

公正証書遺言の有無

公正証書遺言を使用して相続登記する場合は、そうでない場合に比べて報酬が安くなります。なぜなら、公正証書遺言使用して相続登記をする場合は、そうでない場合に比べて必要書類が大幅に少なく、手間がかからないからです。

なお、自筆証書遺言を使用して相続登記する場合は、そうでない場合に比べて報酬は安くなりません。なぜなら、自筆証書遺言を使用して相続登記するには予め家庭裁判所で検認手続きが必要となるからです。

被相続人と相続人の続柄

被相続人(故人)と相続人(不動産を取得される方)との続柄によって報酬は変動します。

例えば、父→子へ名義への相続登記より、祖父→子への相続登記の方が報酬は高くなります。なぜなら、前者より後者の方が必要書類が多く、手間がかかるからです。

また、このような報酬の仕組みにすることで、前者が後者より損をすることを回避できます。すなわち、相続が発生する度に相続登記をした人と、相続登記を放置してきた人が同じ報酬になるという事態を回避できます。

不動産の数

報酬は相続登記の対象となる不動産の数に比例して高くなります。

また、不動産の所在地が、異なる管轄法務局にまたがっていればそうでない場合に比べて報酬は高くなります。例えば、2つの土地がそれぞれ松江地方法務局と東京法務局が管轄する場所に位置していれば、相続登記の申請は両法務局に申請します。これに対し、2つの土地がいずれも松江地方法務局が管轄する場所に位置していれば、相続登記は松江地方法務局のみに申請します。この場合、前者の相続登記の申請件数が2件、後者のそれは1件です。よって、前者は後者より相続登記の申請件数が多いので、前者の方が報酬は高くなります。

遺産分割協議書作成の有無

相続登記の申請においては多くの場合に遺産分割協議書を作成します。しかし、稀に遺産分割協議書の作成が不要な場合があり、その場合は遺産分割協議書の作成が必要な場合より報酬が安くなることがあります。例えば、相続人が1名の場合です。もっとも、相続人が1名であれば必ず報酬が安くなるとは限りません。理由ですが、不動産登記制度の仕組みにかかわる専門的な話になりますのでここでの説明は割愛します。

固定資産税の評価額

報酬は固定資産税の評価額に比例して高くなります。

相続登記の必要性

令和6年4月1日より相続登記が義務化されます。これは相続登記が放置されている状況を国として看過できなくなったからです。

相続登記が必要な場面

相続登記が必要な場面とは不動産を譲渡する場合のほか、銀行をから融資を受けて建物をリフォームする場合や住宅ローン完済後に銀行の抵当権の解除する場合です。不動産の譲渡とは例えば不動産を売却したり、贈与したりすることです。また、銀行の抵当権とは銀行が住宅ローンの担保として不動産設定している権利のことです。

相続登記が未了の理由

このように相続登記が必要な場面にあたるのは時間の問題です。しかし、相続登記を自分でするには多くの手間と費用がかかります。また、相続登記が必要な場面にあたらない限り、相続登記を放置しても日常生活に支障はありません。そのため、多くの相続登記は放置されてきました。

相続登記の有無

相続登記がなされているかを確認する方法で最も簡単な方法は固定資産税の納税通知書を確認する方法です。すなわち、固定資産税の納税通知書の欄に被相続人の名前が記入されてあれば、相続登記がされていない可能性があります。その場合には該当不動産の登記事項証明書を取得して相続登記の有無を確認できます。登記事項証明書は不動産の所在地を問わず最寄りの法務局で取得できます。なお、固定資産税の納税義務者や納付書の送付先を変更しただけでは相続登記がされたことにはなりません。

相続登記をしないリスク

相続登記を放置すると、後の世代の人(子や孫)に負担をかけることになります。例えば相続開始当初は兄弟姉妹間の話し合いで済んだ相続登記でも、それを放置し、さらに相続人である兄弟姉妹が亡くなれば、次はいとこ間で話し合いをしなければなりません。兄弟姉妹に遺産分割協議書の署名・捺印と印鑑証明を依頼することに比べて、いとこにこれを頼むことは容易ではありません。

また、相続登記を放置すれば被相続人と縁もゆかりもない人が相続人となり、遺産分割協議が難航する可能性があります。

相続登記の必要書類

相続登記の必要書類の具体的な説明はこちら

遺産分割協議書作成の場合

遺産分割協議書を作成して手続きをする場合(=公正証書遺言がない場合)は相続人全員の署名と実印が必要です。

  • 被相続人(故人)の出生から死亡までの除籍謄本と除籍の附票謄本
  • 相続人全員の戸籍抄本と印鑑証明書
  • 不動産を取得する者の住民票
  • 被相続人名義の不動産の固定資産税の評価証明書
  • 相続登記をする不動産の権利証※1

※1 一定の場合に必要

公正証書遺言を使用する場合

  • 被相続人(故人)の死亡記載のある除籍謄本と除籍の附票謄本
  • 不動産を取得した者の戸籍抄本と住民票の抄本
  • 遺言執行者(相続人全員)の印鑑証明書※2
  • 被相続人名義の不動産の固定資産税の評価証明書
  • 相続登記をする不動産の権利証※2

※2 一定の場合に必要

書類の請求先

戸籍・戸籍の附票

本籍地の市町村役場です。本籍地が遠方で取りにいけなければ、郵送請求可能です。郵送請求の場合は小為替を同封したり、申請書を印刷したりするので手間がかかります。転籍している場合は転籍前の戸籍が必要な場合があります。

印鑑証明書・住民票

住所地の市町村役場です。印鑑登録をしていない場合や印鑑カードを紛失した場合は窓口で手続きが必要です。

固定資産税の評価証明書

不動産の所在地の市町村役場で取得します。固定資産税の非課税・共有物件がある場合は併せて取得します。

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