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相続

長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)の対応

制度概要

根拠法

長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)(以下、「本通知」といいます。)とは、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(以下、「法」といいます。)44条に基づいて発送される手紙です。

ここではこの通知を「本通知」といいます。

差出人

本通知は法務局が作成し、発送します。

宛先

本通知は法務局が選定した土地の所有者の相続人に対して送付されます。また、土地の所有者の相続人が複数いる場合にはその相続人の内、法務局が任意に選定した相続人に送付されます。

目的

本通知は土地相続人に相続登記の申請を促すためになされています。

本通知は法務局から突然送付されますので、これを受け取った方は面を食らうことが多いです。そこで、ここでは本通知の意味や通知を受け取った方の対応の指針を説明します。なお、法務局が本通知を発送するための準備や発送手続きをここでは便宜上「本制度」といいます。

本制度の流れ

まず本制度の流れを説明します。本制度の流れとは法務局が本通知を発送するまでの段取りや経緯のことです。そして、ここで説明する一連の作業は法務局が行うものであり、本通知を受け取った方が行うものではありません。

step
1
調査対象地域の選定

法務局が本制度に基づく調査をする地域を選定します。この選定の際には地方公共団体の意見を聴取します。

step
2
調査対象土地の選定

調査対象の地域が決まりましたら、その地域内の土地の登記記録を調査します。そして、調査した土地の内、不動産登記が長期間なされていない土地をピックアップします。

step
3
相続人調査

ピックアップされた土地の登記記録上の所有者を調査します。具体的には所有者の戸籍を取得します。そして、土地所有者の死亡から一定期間経過しているものについてはさらに土地所有者の相続関係を調査します。

step
4
法定相続人情報の作成

土地の所有者の相続関係の調査が終わりましたら、法定相続人情報を作成します。また、法定相続人情報が作成された土地の登記記録には調査がなされた旨の登記がなされます。

step
5
通知書の送付

土地の相続人の内、法務局が任意に選定した相続人へ本通知を送付します。

以上が本制度の流れです。

法定相続人情報

次に法定相続人情報について説明します。法定相続人情報とは土地所有者の相続関係を家系図の体裁で証明する書類です。

ところで、土地の相続登記を申請する場合には土地所有者たる被相続人の相続関係を証明する戸籍を取得します。そして、この請求にかかる費用は相続人の負担です。

しかし、本制度の対象である土地においては相続人に代わって法務局が相続関係を証明する戸籍を取得し、法定相続人情報を作成します。

そして、相続人が相続登記を申請する際にはこの法定相続人情報を利用できます。なお、法定相続人情報を出力した書面は最寄りの法務局で取得でき、取得手数料はかかりません。

以上が法定相続人情報の説明です。

相続人の対応

次に本通知を受けとった方の対応の指針を述べます。

本制度の対象の土地は長期間相続登記がされていません。そして、長期間相続登記がされていない場合の土地所有者たる被相続人の相続関係の調査には通常多くの手間と費用が必要です。

しかし、本制度の対象の土地の相続登記では前述のとおり法定相続人情報を使用できますので、戸籍を請求して相続関係を把握・確定する必要はありません。そこで、法務局はこの手間がかからないという「人参をぶら下げて」相続登記の申請を促しています。

もっとも、本制度の対象の土地は価値がないことが多いです。よって、このような場合には相続登記をしてもそれにかかった費用に見合う対価を得ることは難しいです。

そこでこのような場合には共同相続人全員名義で相続登記をして相続登記にかかる費用を極力抑えるか、相続登記をせずに放置することが現実的な対応となります。

以上が本通知を受けとった方の対応の指針です。

本制度の留意点

最後に本制度の留意点を説明します。

まず、土地所有者である被相続人の相続人が複数いる場合には当然その相続人全員が土地を相続しています。すなわち、本通知を受けた相続人だけが土地を相続しているわけではありません。また、相続登記の義務化の対象は通知を受けた相続人だけでなく、土地相続人全員です。

次に、前述のとおり、通常の相続登記においては相続人は戸籍を自己の負担で取得しなければなりません。これに対し、本制度では税金を投入して個人の戸籍を取得しています。よって、本通知を受けた相続人は相続登記の申請においてはこの制度により利益を受けることこそあれ、損害を受けることはありません。

参考法令

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法

第四十四条 登記官は、起業者その他の公共の利益となる事業を実施しようとする者からの求めに応じ、当該事業を実施しようとする区域内の土地につきその所有権の登記名義人に係る死亡の事実の有無を調査した場合において、当該土地が特定登記未了土地に該当し、かつ、当該土地につきその所有権の登記名義人の死亡後十年以上三十年以内において政令で定める期間を超えて相続登記等がされていないと認めるときは、当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を探索した上、職権で、所有権の登記名義人の死亡後長期間にわたり相続登記等がされていない土地である旨その他当該探索の結果を確認するために必要な事項として法務省令で定めるものをその所有権の登記に付記することができる。
2 登記官は、前項の規定による探索により当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を知ったときは、その者に対し、当該土地についての相続登記等の申請を勧告することができる。この場合において、登記官は、相当でないと認めるときを除き、相続登記等を申請するために必要な情報を併せて通知するものとする。
3 登記官は、前二項の規定の施行に必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、第一項の土地の所有権の登記名義人に係る死亡の事実その他当該土地の所有権の登記名義人となり得る者に関する情報の提供を求めることができる。
4 前三項に定めるもののほか、第一項の規定による所有権の登記にする付記についての登記簿及び登記記録の記録方法その他の登記の事務並びに第二項の規定による勧告及び通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法施行令

(特定登記未了土地につき相続登記等がされていない期間)
第十三条 法第四十四条第一項の政令で定める期間は、十年とする。

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する不動産登記法の特例に関する省令

(登記の手続等)
第三条 登記官は、職権で法第四十四条第一項の事項の登記をしようとするときは、職権付記登記事件簿に登記の目的、立件の年月日及び立件の際に付した番号並びに不動産所在事項を記録するものとする。
2 法第四十四条第一項の法務省令で定める事項は、第一条第二項第五号及び第六号に規定する事項とする。

土地収用法

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(土地を収用し、又は使用することができる事業)
第三条 土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業は、次の各号のいずれかに該当するものに関する事業でなければならない。
一 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による一般自動車道若しくは専用自動車道(同法による一般旅客自動車運送事業又は貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)による一般貨物自動車運送事業の用に供するものに限る。)又は駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)による路外駐車場
二 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、若しくは準用される河川その他公共の利害に関係のある河川又はこれらの河川に治水若しくは利水の目的をもつて設置する堤防、護岸、ダム、水路、貯水池その他の施設
三 砂防法(明治三十年法律第二十九号)による砂防設備又は同法が準用される砂防のための施設
三の二 国又は都道府県が設置する地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)による地すべり防止施設又はぼた山崩壊防止施設
三の三 国又は都道府県が設置する急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)による急傾斜地崩壊防止施設
四 運河法(大正二年法律第十六号)による運河の用に供する施設
五 国、地方公共団体、土地改良区(土地改良区連合を含む。以下同じ。)又は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が設置する農業用道路、用水路、排水路、海岸堤防、かんがい用若しくは農作物の災害防止用のため池又は防風林その他これに準ずる施設
六 国、都道府県又は土地改良区が土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)によつて行う客土事業又は土地改良事業の施行に伴い設置する用排水機若しくは地下水源の利用に関する設備
七 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)による鉄道事業者又は索道事業者がその鉄道事業又は索道事業で一般の需要に応ずるものの用に供する施設
七の二 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する鉄道又は軌道の用に供する施設
八 軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道又は同法が準用される無軌条電車の用に供する施設
八の二 石油パイプライン事業法(昭和四十七年法律第百五号)による石油パイプライン事業の用に供する施設
九 道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業(路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客の運送を行うものに限る。)又は貨物自動車運送事業法による一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をするものに限る。)の用に供する施設
九の二 自動車ターミナル法(昭和三十四年法律第百三十六号)第三条の許可を受けて経営する自動車ターミナル事業の用に供する施設
十 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)による港湾施設又は漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)による漁港施設
十の二 海岸法(昭和三十一年法律第百一号)による海岸保全施設
十の三 津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)による津波防護施設
十一 航路標識法(昭和二十四年法律第九十九号)による航路標識又は水路業務法(昭和二十五年法律第百二号)による水路測量標
十二 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)による飛行場又は航空保安施設で公共の用に供するもの
十三 気象、海象、地象又は洪水その他これに類する現象の観測又は通報の用に供する施設
十三の二 日本郵便株式会社が日本郵便株式会社法(平成十七年法律第百号)第四条第一項第一号に掲げる業務の用に供する施設
十四 国が電波監視のために設置する無線方位又は電波の質の測定装置
十五 国又は地方公共団体が設置する電気通信設備
十五の二 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者が同項に規定する認定電気通信事業の用に供する施設(同法の規定により土地等を使用することができるものを除く。)
十六 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)による基幹放送事業者又は基幹放送局提供事業者が基幹放送の用に供する放送設備
十七 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)による一般送配電事業、送電事業、配電事業、特定送配電事業又は発電事業の用に供する電気工作物
十七の二 ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)によるガス工作物
十八 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)による水道事業若しくは水道用水供給事業、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)による工業用水道事業又は下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)による公共下水道、流域下水道若しくは都市下水路の用に供する施設
十九 市町村が消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)によつて設置する消防の用に供する施設
二十 都道府県又は水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)による水防管理団体が水防の用に供する施設
二十一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校又はこれに準ずるその他の教育若しくは学術研究のための施設
二十二 社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)による公民館(同法第四十二条に規定する公民館類似施設を除く。)若しくは博物館又は図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)による図書館(同法第二十九条に規定する図書館同種施設を除く。)
二十三 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)による社会福祉事業若しくは更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)による更生保護事業の用に供する施設又は職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)による公共職業能力開発施設若しくは職業能力開発総合大学校
二十四 国、地方公共団体、独立行政法人国立病院機構、国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人国立循環器病研究センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、国立研究開発法人国立国際医療研究センター、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター、健康保険組合若しくは健康保険組合連合会、国民健康保険組合若しくは国民健康保険団体連合会、国家公務員共済組合若しくは国家公務員共済組合連合会若しくは地方公務員共済組合若しくは全国市町村職員共済組合連合会が設置する病院、療養所、診療所若しくは助産所、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)による保健所若しくは医療法(昭和二十三年法律第二百五号)による公的医療機関又は検疫所
二十五 墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)による火葬場
二十六 と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)によると畜場又は化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)による化製場若しくは死亡獣畜取扱場
二十七 地方公共団体又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第十五条の五第一項に規定する廃棄物処理センターが設置する同法による一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設その他の廃棄物の処理施設(廃棄物の処分(再生を含む。)に係るものに限る。)及び地方公共団体が設置する公衆便所
二十七の二 国が設置する平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)による汚染廃棄物等の処理施設
二十八 卸売市場法(昭和四十六年法律第三十五号)による中央卸売市場及び地方卸売市場
二十九 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)による公園事業
二十九の二 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)による原生自然環境保全地域に関する保全事業及び自然環境保全地域に関する保全事業
三十 国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第二項に規定する都市計画区域について同法第二章の規定により定められた第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域又は田園住居地域内において、自ら居住するため住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲渡する目的で行う五十戸以上の一団地の住宅経営
三十一 国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他直接その事務又は事業の用に供する施設
三十二 国又は地方公共団体が設置する公園、緑地、広場、運動場、墓地、市場その他公共の用に供する施設
三十三 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成十六年法律第百五十五号)第十七条第一項第一号から第三号までに掲げる業務の用に供する施設
三十四 独立行政法人水資源機構が設置する独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)による水資源開発施設及び愛知豊川用水施設
三十四の二 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法(平成十四年法律第百六十一号)第十八条第一号から第四号までに掲げる業務の用に供する施設
三十四の三 国立研究開発法人国立がん研究センター、国立研究開発法人国立循環器病研究センター、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、国立研究開発法人国立国際医療研究センター、国立研究開発法人国立成育医療研究センター又は国立研究開発法人国立長寿医療研究センターが高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律(平成二十年法律第九十三号)第十三条第一項第一号、第十四条第一号、第十五条第一号若しくは第三号、第十六条第一号若しくは第三号、第十七条第一号又は第十八条第一号若しくは第二号に掲げる業務の用に供する施設
三十五 前各号のいずれかに掲げるものに関する事業のために欠くことができない通路、橋、鉄道、軌道、索道、電線路、水路、池井、土石の捨場、材料の置場、職務上常駐を必要とする職員の詰所又は宿舎その他の施設

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