相続税の概要
相続税の目的の一つは富の再分配です。
資本主義の社会では所得の格差が生じますので、高所得者が死亡したときに、相続税としてその富の一部を国家が相続財産から強制的に没収します。
人が絶対に避けられない死を契機に税の負担を強いて、所得が低い層に富を分配する仕組みが相続税です。
一方で、相続が発生した場合に、税金を徴収し過ぎるのは社会主義的な方向にいき、妥当ではありません。
そこで、このバランスをとるために、相続税が発生する基準や、相続財産の額に応じた相続税率が定められています。
相続税の計算方法
相続税額は、大まかにいうと、相続した財産の価格に税率をかける方法で計算されます。
遺産の価格
遺産の価格は、被相続人のプラスの財産(不動産、預貯金、株式、保険金など)からマイナスの財産(借金、葬儀費用)を差し引いた額です。
仏壇・仏具は遺産の価格に算入されません。
課税価格
課税価格=遺産の価格ー基礎控除額
上記の計算式より、課税価格がゼロであれば相続税は発生しません。
また、課税価格が多くなれば税率は高くなります。
基礎控除額
遺産の価格から一定額を控除した価格が相続税の課税価格です。
基礎控除額の計算式は下記の通りです。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
メモ
- おおまかにいうと、遺産の価格が3000万円以下であれば相続税なし。
- 相続人の数が多ければ基礎控除額が増える。