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相続

相続放棄申述の有無の照会の申請方法

概要

相続放棄申述の有無の照会(以下、「照会」といいます。)とは相続人が「相続放棄をしたか否か」を管轄家庭裁判所で確認する手続きです。

相続が発生し、先順位の相続人全員が相続放棄した場合には相続人の地位は次順位の推定相続人に移行します。

例えば第一順位の相続人たる被相続人の子全員が相続放棄し、第二順位の推定相続人たる被相続人の父母や祖父母等が被相続人死亡以前に死亡していた場合には第三順位の推定相続人たる被相続人の兄弟姉妹や甥姪が相続人となりえます。

そのため、第三順位の推定相続人は第一順位の相続人が「相続放棄をしたか否か」について利害関係を有しています。

しかし、相続放棄の申述が受理された場合、家庭裁判所は申述人に対してのみその旨の通知をします。

すなわち、この例では第三順位の推定相続人は、第一順位の相続人から知らされない限り、第一順位の相続人が相続放棄をしたことを知り得ないことが多いです。そこで、第三順位の推定相続人には、第一順位の相続人が「相続放棄をしたか否か」について照会をすることが認められます。

また、この他、相続放棄をした者と同順位の相続人や被相続人の債権者も照会をすることができます。

必要書類

ここでは第三順位の推定相続人が、第一順位の相続人の相続放棄申述の有無を照会する場合の必要書類を説明します。なお、ここでは照会をする第三順位の推定相続人を「照会者」と呼びます。

照会申請書

照会申請書のひな形はネットで「相続放棄 照会 申請書」と検索すると家庭裁判所のWEBサイトでダウンロードできます。

被相続人等目録

被相続人等目録のひな形はネットで「相続放棄 照会 目録」と検索すると家庭裁判所のWEBサイトでダウンロードできます。

なお、被相続人等目録の内容はそのまま家庭裁判所の証明する内容となりますので、被相続人等目録の内容は戸籍謄本等のとおりに正確に記入します。

被相続人の住民票の除票

被相続人の住民票の除票(本籍地入り)が必要です。被相続人の死亡時の戸籍の附票(本籍地入り)でも構いません

また、照会の添付書類には後述の被相続人の死亡時の戸籍謄本も必要ですので、この戸籍謄本と一緒にこの戸籍の附票謄本も取得すると収集手続きがスムーズです。

なお、この書類は被相続人の死亡の事実と、最後の住所を確認するために提出します。

戸籍謄本

この書面として次のものを準備します。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 第一順位の相続人の戸籍謄本(抄本)
  • 被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の祖父母の死亡記載のある戸籍謄本
  • 代襲相続が発生している場合には被代襲者の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 照会者の戸籍謄本(抄本)

この他必要な書類がある場合があります。

相続関係説明図

被相続人の相続関係がわかる相続関係説明図を作成します。

具体的には被相続人・第一順位の相続人・被相続人の父母・被相続人の祖父母・照会者の親族関係がわかるように作成します。

照会者の住民票

照会者の住所氏名を確認するために提出します。照会者の戸籍の附票でも構いません。

また、これらに代えて次の書類でもかまいません。

  • 運転免許証の表裏両面のコピー
  • マイナンバーカードの表面のコピー

返信用封筒

家庭裁判所から照会結果を郵送で受け取る手はずをとり、その郵送用封筒としてレターパックライトを提出すると便利です。

申請書の書き方

ここでは第三順位の推定相続人が、第一順位の相続人の相続放棄申述の有無を照会する場合の申請書の書き方を説明します。

表題

表題には「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会申請書」と記入します。

日付

申請書を提出する日付を記入します。郵送の場合には発送日で構いません。

家庭裁判所

管轄の家庭裁判所名を記入します。

管轄の家庭裁判所とは被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

住所・氏名・連絡先

申請者の住所・氏名・連絡先を記入します。

添付書類

次の通りに記入します。

  • 住民票の除票 通
  • 戸籍(除籍)謄本(抄本) 通
  • 住民票  通
  • 相続関係説明図 通

被相続人の表示

ここには「別紙「被相続人等目録」記載のとおり」と記入します。

照会対象者の表示

ここには「別紙「被相続人等目録」記載のとおり」と記入します。

照会の趣旨

次のように記入します。

  • 上記被相続人の相続に関し、上記照会対象者から貴庁に対して、被相続人の死亡日( 年 月 日)から申請日までの間に相続放棄又は限定承認の申述がなされているか否かについて調査し、回答してください。

※被相続人の死亡時期によってはこのような記載ではない場合があります。

照会を求める理由

「照会を求める理由」として「先順位者の相続放棄申述受理の有無を確認するため。」と記入します。

記入例

相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会申請書

令和 年 月 日
○○家庭裁判所 御中

住 所
氏 名
連絡先

添付書類 住民票の除票   通
戸籍(除籍)謄本(抄本) 通
住民票      通
相続関係説明図  通
被相続人の表示
照会対象者の表示
別紙「被相続人等目録」記載のとおり
照会の趣旨

上記被相続人の相続に関し、上記照会対象者から貴庁に対して、
被相続人の死亡日( 年 月 日)
から
申請日
までの間に相続放棄又は限定承認の申述がなされているか否かについて調査し、回答してください。

照会を求める理由 先順位者の相続放棄申述受理の有無を確認するため。

被相続人等目録の書き方

被相続人

被相続人の最後の本籍・最後の住所・氏名・死亡日を記入します。

調査対象期間

次のように記入します。日付は空欄でよいです。

(調査対象期間     年  月  日 から     年  月  日)

※照会後に家庭裁判所が追記する欄です。

照会対象者の氏名

照会対象者である、第一順位の相続人全員の氏名を記入します。

申述の有無等

▢相続放棄の申述受理
▢該当なし

と記入します。※照会後に家庭裁判所が追記する欄です。

事件番号等

  年(家)第   号
  年  月  日受理

と記入します。※照会後に家庭裁判所が追記する欄です。

記入例

被相続人等目録

被相続人

本籍  
最後の住所地  
氏名  
死亡日  
(調査対象期間     年  月  日 から     年  月  日)
照会対象者の氏名 申述の有無等 事件番号等
1 氏名 ▢相続放棄の申述受理
▢該当なし
  年(家)第   号
  年  月  日受理
2 氏名 ▢相続放棄の申述受理
▢該当なし
  年(家)第   号
  年  月  日受理
3 氏名 ▢相続放棄の申述受理
▢該当なし
  年(家)第   号
  年  月  日受理
4 氏名 ▢相続放棄の申述受理
▢該当なし
  年(家)第   号
  年  月  日受理
5 氏名 ▢相続放棄の申述受理
▢該当なし
  年(家)第   号
  年  月  日受理

別紙

被相続人等目録の書き方は以上のとおりですが、家庭裁判所によっては被相続人等目録に情報を記入するのではなく、別紙形式で照会結果を提供するところがあります。

すなわち、被相続人等目録の提出を求めておきながら、その様式は使用せずに家庭裁判所のひな形で照会結果を提供します。

なお、「終局年月日」とは相続放棄申述受理日を意味すると考えられます。

  調査年月日 令和6年6月1日      
事件番号 事件名 照会対象者(相続人) 被相続人 終局年月日 終局結果
R06(家)0000 相続放棄申述受理     R06/04/01 受理
           
           

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