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相続

住民票の写し等の本人等請求と第三者請求

前置き

作成者

住民票は住所地の市町村が作成します。

そして、個人は住所地の市町村に住民票の写しを請求することができます。

ここでは「住民票の写しを請求することができる者」と、その者が「請求することができる住民票の写しの範囲」を説明します。

個人の住民票の写しの請求は住民基本台帳法12条1項に基づく請求と、同法12条の3第1項に基づく請求に大別できます。

ここでは前者を「本人等請求」、後者を「第三者請求」とよびます。

記載事項

市町村が管理する住民票には次の情報などが記載されます。

  1. 氏名
  2. 出生の年月日
  3. 男女の別
  4. 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
  5. 戸籍の表示。ただし、本籍のない者及び本籍の明らかでない者については、その旨
  6. 住民となつた年月日
  7. 住所及び一の市町村の区域内において新たに住所を変更した者については、その住所を定めた年月日
  8. 新たに市町村の区域内に住所を定めた者については、その住所を定めた旨の届出の年月日(職権で住民票の記載をした者については、その年月日)及び従前の住所
  9. 個人番号
  10. 住民票コード

この他、住民票には様々な情報が記載されますが、市町村が発行する住民票の写しにこれらの全部が記載されるわけではありません。

また、これらのうち、1から3及び6から8の記載事項を「基礎証明事項」といいます。

本人等請求

まず本人等請求について説明します。

住民基本台帳法12条1項は、1の者が、次のaからdを請求する場合を規定しています。

  1. 住民基本台帳に記録されている者
  1. 自己に係る住民票の写し
  2. 自己と同一の世帯に属する者に係る住民票の写し
  3. 自己に係る住民票記載事項証明書
  4. 自己と同一の世帯に属する者に係る住民票記載事項証明書

つまり、本人等請求とは、自己及び自己と同一の世帯に属する者の住民票の写しの請求です。

記載事項

本人等請求においては、市町村は特別の請求がない限り、世帯主や戸籍の表示などの記載事項を省略した住民票の写しを交付することができます。

利用の目的

本人等請求をする場合、申出をする者は市町村に対して住民票の写しの利用の目的を説明する必要はありません。

もっとも、本人等請求が不当な目的によることが明らかなときは市町村は本人等請求を拒むことができます。

以上が本人等請求の説明です。

第三者請求

次に第三者請求について説明します。

住民基本台帳法12条の3第1項は、「自己及び自己と同一の世帯に属する者」以外の者が、住民票の写しを請求する場合を規定しています。

粗い言い方をしますと、第三者請求とは他人の住民票の写しの請求です。

無論、他人の住民票の写しを無制限に取得することはできません。

申出をする者

第三者請求においては、次の者が申出をすることができます。

  1. 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者
  2. 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある者
  3. 前二号に掲げる者のほか、住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者

利用の目的

第三者請求においては、申出の際に市町村に対して住民票の写しの利用の目的を明らかにします。

その上で、市町村が申出を相当と認めるときでなければ住民票の写しは発行されません。

記載事項

第三者請求においては次のものを請求することができます。

  1. 住民票の写しで基礎証明事項のみが表示されたもの
  2. 住民票記載事項証明書で基礎証明事項に関するもの

また、第三者請求においては既述の利用の目的を達成するために次のものが必要であれば、市町村にその旨を申し出ます。

  1. 基礎証明事項のほか基礎証明事項以外の事項の全部が表示された住民票の写し
  2. 基礎証明事項のほか基礎証明事項以外の事項の一部が表示された住民票の写し
  3. 基礎証明事項のほか基礎証明事項以外の事項の全部を記載した住民票記載事項証明書
  4. 基礎証明事項のほか基礎証明事項以外の事項の一部を記載した住民票記載事項証明書

そして、市町村は、かかる申出を相当と認めるときはこれらを発行します。

ただし、この場合でも個人番号及び住民票コードを記載したものを請求することはできません。

以上が第三者請求の説明です。

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