相続放棄申述受理証明書
相続が発生し、その相続人の相続放棄の申述が受理された場合、被相続人の利害関係人は相続放棄の申述が受理されたことの証明書を管轄の家庭裁判所に請求することができます。
この証明書を「相続放棄申述受理証明書」といいます。
被相続人の利害関係人とは、例えば相続放棄に係る被相続人の相続につき「相続放棄をしていない」相続人や、被相続人の債権者です。
相続放棄申述受理通知書
「相続放棄申述受理証明書」に似た書類として、「相続放棄申述受理通知書」があります。
「相続放棄申述受理通知書」とは相続放棄の申述が受理された後に申述者本人に申述先の家庭裁判所から送付される書類です。
相違
「相続放棄申述受理通知書」の内容は「相続放棄申述受理証明書」の内容とほぼ同じですので、「相続放棄申述受理通知書」と「相続放棄申述受理証明書」いずれも相続放棄を証明する書類として利用できます。
もっとも、「相続放棄申述受理通知書」は相続放棄の申述者本人に対して1回のみ送付される書類です。
そのため、相続放棄申述者以外の者が、当該申述者の相続放棄の証明書が必要な場合には「相続放棄申述受理証明書」を取得します。
また、「相続放棄申述受理通知書」を紛失した場合は相続放棄申述者は「相続放棄申述受理証明書」を取得します。
相続放棄申述受理証明書取得の必要書類
ここでは相続放棄申述者の共同相続人が相続放棄申述受理証明書を取得する場合の必要書類を説明します。
なお、相続放棄の申述をした者は、他の相続人の相続放棄申述受理証明書を取得することはできません。
申請書
申請書のひな形はネットで「相続放棄申述受理証明書 申請書」と検索すると家庭裁判所のWEBサイトでダウンロードできます。
ただし、相続放棄申述受理証明書の申請書の書き方は、「申請者」と、「相続放棄申述受理の証明対象者」との関係によって異なります。
例えば、「相続放棄申述者本人が申請する場合」と、「相続放棄申述者の共同相続人が申請する場合」では申請書の書き方や必要書類が異なります。
申請書の書き方は後で説明します。
事件番号がわかる書類
相続放棄申述受理証明書の申請書には相続放棄に係る事件番号を記入しなければなりません。この事件番号は「相続放棄申述受理通知書」に記載されてありますので、このコピーを入手できる場合にはこのコピーをもとに事件番号を記入します。
これに対し、「相続放棄申述受理通知書」がなく事件番号が不明の場合には申請書を提出前段階として、「相続放棄の申述の有無についての照会」をして事件番号を特定する必要があります。
法定相続情報一覧図
相続放棄申述者と申請者が共同相続人であることを証明するために相続放棄にかかる被相続人の法定相続情報一覧図を提出します。
なお、法定相続情報一覧図ではなく、相続放棄にかかる被相続人の相続関係を証明する戸籍謄本を提出しても構いません。
もっとも、相続放棄申述受理証明書取得後に相続登記等をする場合には予め法定相続情報一覧図を作成しておくと相続手続き全体がスムーズに進みます。
本人確認書類
申請者の本人確認ができる公的書類のコピーを1点提出します。例えば次の書類です。
- 運転免許証の表裏両面のコピー
- マイナンバーカードの表面のコピー
収入印紙
証明書一枚につき150円の収入印紙が必要です。
返信用封筒
家庭裁判所から続放棄申述受理証明書を郵送で受け取る手はずをとり、その郵送用封筒としてレターパックライトを提出すると便利です。
相続放棄申述受理証明書の申請書の書き方
表題
表題には「相続放棄申述受理証明申請書」と記入します。
日付
申請書を提出する日付を記入します。郵送の場合には発送日で構いません。
家庭裁判所
管轄の家庭裁判所名を記入します。
管轄の家庭裁判所とは相続放棄申述受理通知書記載の家庭裁判所又は「相続放棄の申述の有無についての照会」先の家庭裁判所です。
住所・氏名・連絡先
申請者の住所・氏名・連絡先を記入します。
被相続人の表示
相続放棄に係る被相続人の本籍及び氏名を記入します。
事件の表示
事件番号・申述人の氏名・申述受理日を記入します。
必要通数
請求する相続放棄申述受理証明書の通数を記入します。
その他
「被相続人との利害関係」として「申請者は、被相続人の相続人であるから利害関係を有する。」と記入します。
また、「申請理由」を記入します。この記入例として「相続登記手続等をするため。」があります。
記入例
相続放棄申述受理証明申請書
令和 年 月 日
○○家庭裁判所 御中
住 所
氏 名
電話番号
被相続人の表示 | |
本籍 | |
氏名 |
事件の表示 | |
事件番号 | 年(家)第 号 |
申述人氏名 | |
申述受理日 |
必要通数 | 1通 |
被相続人との利害関係 | 申請者は、被相続人の相続人であるから利害関係を有する。 |
申請理由 | 相続登記手続等をするため。 |