固定資産税の評価額
固定資産税は市町村税ですので、徴収者は不動産の所在地の市町村です。
よって、固定資産税額は市町村が決定します。
そして、固定資産税額を決定するための元となる価格を固定資産税の評価額と言います。
後述の通り、固定資産税の評価額は倍率方式の計算の際にも使用されます。
固定資産税の評価額は毎年送付される固定資産税の納税通知書に記載されており、一般的に馴染み深いものと言えます。
そこで、私人間で不動産の売買する際に売買代金を決定するための客観的な数値として利用されることが多いです。
相続税・贈与税の計算における価格
相続税及び贈与税は国税です。
そして、相続税及び贈与税は税金を納める人が申告して納税します。
そこで、相続税や贈与税の申告の際に不動産の価格を計算する必要があります。
このとき土地と建物では価格の計算方法が異なります。
土地の価格
土地の価格の計算方法には下記があります。
- 路線価方式
- 倍率方式
路線価方式
「路線」とは「道路」を指します。
路線価方式とは、土地が面している道路から土地の価値を計算する方法です。
どういうことかと言いますと、まず都市部の風景を想像してください。都市部では構想ビルが立ち並んでいますが、それらは大通りに面しています。
いくら建物や駐車場が立派でもそれに通ずる道路がなければそれらに価値はありません。
また、土地は、価値ある建物や駐車場として利用できるから価値があります。
つまり、利用価値の高い道路に面しているほど土地の価値は高いのです。
倍率方式
もっとも、島根・鳥取のような地方では路線価が定められている地域は稀です。
よって、地方では多くの場合、倍率方式で計算することになります。
倍率方式は固定資産税の評価額を基に算定する方法です。
ココがポイント
計算方法は固定資産税の評価額に一定の倍率を乗じる方法です。
建物
固定資産税評価額と同じです。
相場価格
相場価格とは様々な意味で使われます。
もっとも、一般的な使われ方としては、近隣地域の実情を考慮して求める不動産の価格を指すと考えられます。
例えば、A土地が売りに出された場合に、A土地に近隣のB土地及びC土地があったとします。
この場合、B土地とC土地が過去に売買されていればその坪単価を出し、平均化することで、A土地の大まかな価格が出せます。
但し、過去の売買価格は一般に世に知れ渡っているものではありません。
そこで、いわゆる地元の不動産屋が査定をするのです。
なぜなら、地元の不動産屋は近隣地域の売買仲介の経験があること多いからです。
過去の取引や経験からおおよその価格を計算することができます。
売買価格
不動産売買契約の代金です。
一般に売買代金は需要と供給で決まります。
つまり、同じ不動産でも、「誰が」「誰に」売るかで売買価格は変動します。
例えば、A土地の売買代金が100万円とします。甲はこのA土地を以前に相続により取得しました。
他方で、乙はA土地を以前に200万円で購入しました。
同じ売買代金ですが、甲は100万円得をし、乙は100万円を損しています。
このように「誰が」売るかによっても売買代金の売却希望額は異なります。
但し、一般的に固定資産税の評価額が高ければ売買価格も高い傾向にあります。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
例えば、固定資産税の評価額が廉価である山林でも、そこに埋蔵金が埋まっている可能性が出てくればその山林の価格は高騰します。